高い効率と社員の高い幸福度を両立させた
日本人には真似できない(?)
労働環境No1のレシピ
この電子書籍を書くきっかけとなったものはいくつかある。そのひとつには私自身が身体で経験してきたデンマークと日本の労働環境のあまりにも大きな差がある。天国と地獄の差だと言っても過言ではない。デンマークでの労働環境は非常に良く出来ており、例外はあるとしても非常に多くのデンマーク人にとっては仕事が楽しいものであると言っても過言ではない。日本には仕事が楽しいと考える人が何人いるだろうか?日本とデンマークの多くの異なる職場や業種を転々として来た私には労働環境の違いは経験を積む度に鮮明になっていくばかりであった。この日本の過酷な労働環境が今の日本の発展を大きく妨げている事に気付き、更に興味を持ち、この差を具体的に分析し、日本人の労働環境改善への意欲を盛り上げるという貢献が出来るのではないだろうかと思ったのである。
この電子書籍を書く事になったもうひとつの大きなきっかけは多くの日本人の方にデンマークの労働環境について教えて欲しいと言われて来た事である。その多くの日本人の方々は「女性の労働環境」、「障害者の労働環境」といった労働市場の一部の限られた人達、又は特殊な人達の労働環境をデンマーク人はどのように考えているのかという事を知りたいというのだ。しかし、私が知る範囲では、又、私の様々な日本国内の仕事経験や同僚の話、提携相手やお客様からの情報、そして「労働環境の通信簿」に入る日本人自らのアンケート内容から判断する限りでは、日本の労働環境は率直に申し上げて基本の「キ」の字も出来ていないのだ。基本がなっていないのにいきなり一部だけ労働者の環境改善を考える事は筋が通らない。まずは労働環境の基本を日本は改善しなければ行けないと私は思う。しっかりとした労使の枠組み、労働者側の権利と義務、使用者側の権利と義務を構築しなければ行けないと思う。そしてお互いが義務を果たし、権利を主張出来る環境が整って初めて日本は労働環境の先進国の仲間入りとなるのである。
この電子書籍では労働環境の基本の「キ」の字に迫りたい。労働環境の基礎が出来ていない日本がいきなり障害者の労働環境を改善するという考え方は矛盾している。まずは一般的な労働環境の改善を行うべきであると私は考えている。
日本は意外と法律上は多くの労働環境改善の試みはされているようだが、一般労働者にはなかなか意味のある労働環境の改善はされていない。日本は縦社会であるが故に法律が出来てもその法律の実行が難しい事は事実である。日本の労働環境法は様々な人達が苦労をして日本労働者の事を考えて作られていると思うが、一般の労働者から見れば単なる形にすぎず実態を伴っていない。その証拠として法律の文面に拘らず未だにサービス残業は一般的に行われ、多くの労働者はパワハラに悩まされている。サービス残業代を支払ってもらおうとすると縦社会の猛烈な圧力が掛って来る。そして日本人の「美徳」という本来はそれこそ日本人の素晴らしい価値観を表した言葉を利用し労働者に猛烈な圧力が掛るのだ。このような本来は美しい日本の言葉を使用側が自分達の要求を主張をする為に一方的に利用するのは如何なものか。「日本の美徳」とは全く意味が違う!本来、美徳という言葉にはそれこそ権限を持っている人達、立場が強い人達の自らの下の人間に対する犠牲が含まれているのではないだろうか?今の日本社会にこのような美徳は殆ど見当たらない。日本社会では立場の弱い労働者が自分の権利を主張する際には相当な覚悟が必要なのが現実である。日本の美徳とは無縁である。
このような事を考えていた事がきっかけで書き始めた訳だが、デンマークの労働組合の歴史を調べているうちに150年前のデンマークの労働環境と今の日本の労働環境の多くの共通点に気付いた。そのころからデンマークでは労働運動が始まり150年掛けて今の世界でも最も優れた労働環境と言われる環境が出来上がっている。その為、この150年間の労働運動は日本の皆さんに大きく参考になると考え、150年のデンマークの労働組合の歴史を一つの柱としてこの本を書いている。歴史に関しては Leksikon.org
に許可を得て記事を参考にしている。
「日本人労働者の権利」を主張するこの電子書籍を書いた私は社会主義/共産主義が強いのではないかと考える人もいるかもしれない。労働環境の改善は雇用主の負担であり、お金が掛り、厳しい経済状況の中、労働者が甘えられる余裕は無いはずだという人もいるかも知れない。しかし私は根っこからの資本主義家である。政治的には右寄りの党に投票し、過去には外交官を務めたり、日本企業の取締役部長を務めたり、貿易関連の自営業を営んだり起業を常に考えている。仕事上常に金銭的な利益を追求して来た人間である。これから先もそれは変わらないだろう。
しかし私は「労働環境の改善=経費が増えるだけ」と考えている多くの人達の考え方は大きく間違っていると思う。これは企業単位での話でもあれば日本の国としての話でもある。企業単位で言えば労働環境改善から得られる効率化による利益拡大や労働者の時間や気持ち的なゆとり、そのゆとりから生まれる企業の活性化、その活性化から生まれる様々なメリットは企業の最終結果(利益)にも大きく貢献する力を持っているのだ。また国民にゆとりが生まれると国は大きく発展するのである。労働環境の改善か、企業の競争力維持かのどちらか一方の選択では無く、労働環境改善、そして企業の競争力アップは両立するのだ。そして労働環境の改善は日本国の為に大きく貢献するのである。労働環境の改善を行わない「マトモナ言い訳」は存在しないのだ。
デンマークの労働運動こそ使用側と労働者側の両方の利益を考えて来たからこそ労働者だけでは無く、企業にも大きなメリットを与えて来たのである。デンマークが福祉国家として有名なのは、福祉国家が成り立つのは、そしてそれと同時に企業の競争力が非常に強いのは、それこそ労使がお互いを認め、権利と義務をはっきりさせ、協力し合って来たからなのである。デンマークが国際調査で幸福度No1の国に度々輝く大きな要素にはこの労使関係も大きく影響しているのだ。
続きは電子書籍をご購入ください。8月末の出版予定です。お楽しみに。
立ち読み版:こちらからダウンロード(PDFファイル)
一部公開(第1章〜第3章 650円):詳しくはこちら
キャンペーン:宣伝してプレゼントゲット!!
講演:詳しくはこちら
価格 1500 円
Kim Christian Botho Pedersen 筆者について
筆者の私はデンマーク人。1966年生まれの日本育ち。日本では一般の小学校と中学校に通った。デンマークの商業高等学校を1986年に卒業し、小さなスーパーの店長、教会のボランティア、タクシードライバーといった全く異なる業種を経て、1994年(27歳の時)に大学に入学。大学に通いながら日本から福祉を勉強しに来られた多くの団体の通訳やドライバー等を務めた。大学を中退しマーケティングと輸出の専門学校に入学し1998年に卒業。同年、在日デンマーク大使館に就職。その後日本の中小企業の取締役部長、日本での自営業(輸入販売)、デンマークでの自営業、デンマーク企業の日本事務所に2年勤めるなど経験し今に至る。
筆者の詳しい情報は
www.mx2.jp
(英文は www.japanexpert.jp
を御覧下さい)又はツイッターのプロフィール
@gaijin_no_honne
を御覧下さい。筆者の今までの人生を描いた「波乱の人生」も宜しくお願いします。その他の電子書籍は www.mx2.jp/pub/shuppan.htm を御覧下さい。
Kim Christian Botho Pedersen
2011年12月03日(スウェーデンにて) |
||
「労働環境No1のレシピ」
販売価格は1500円(税込)
1.
GUMROADによるお支払いの場合(お勧め):(8月末から購入可)
2.Pay Pal によるお支払いの場合(お勧め):(8月末から購入可)
購入ボタンをクリックしお支払いください。
3.銀行振り込みをご希望の場合はこちらをクリック
|